「鳥人伝説の地、オロンゴ」

ラノ・カウ火山からさらに海の方へと南下するとオロンゴ岬に出る。 岬の先にはタンガタ・マヌ(鳥人)、マケ・マケ(創造の神)、コマリ(豊饒の神)の岩絵がある。

ここからイースター・オオカモメの来ていた3つの小島を望むことができる。その最初の卵を見つけたものは鳥人の称号を与えられたのである。 鳥人、すなわちタンガタ・マヌは神からの受託者、超自然の力を授けられし者として皆より崇拝されたといわれている。

伝説によれば、毎年タンガタ・マヌを決める重要な祭典が行われたといわれる。 タンガタ・マヌの候補者である各部族の代表は300メートルもの断崖を降り、太平洋の荒波を 越えて3つの島のうち最も大きなモツ・ヌイ島へ渡り春の到来を待った。そして渡り鳥の 卵を最初に得た部族の長がタンガタ・マヌとして次の一年間、政治的・宗教的な実験を握ることができたのである。

こうしてタンガタ・マヌになったものは一年間俗世と縁を断ち、神聖な生活を送ったと いわれている。

あたり一面の岩には1184もの鳥人やマケ・マケ神の魅惑的な岩絵が施されていてモアイとならぶ イースター島の大きな文化遺産となっている。 また、石積みの住居跡も興味深く儀式のときには400人もの人々がここで過ごしたといわれる。